事実婚・同棲のメリット・デメリット完全ガイド|法的・経済的・社会的な違いまで
目次
それぞれのメリット・デメリット
あなたに合うのはどっち?
前回は事実婚と同棲の基本的な違いをお話ししました。
―前回はこちら:事実婚と同棲って何が違うの?知らないと損する5つの重要な違い【結婚相談所が解説】
今回は、それぞれの良い面と悪い面をもっと詳しく比較してみます。「どちらが自分に合っているのか分からない」という方の参考になれば幸いです。
事実婚のメリット
1. 名字を変えなくていい
これは特に働く女性にとって大きなメリットです。
具体例:
- 医師の田中花子さん。患者さんから「田中先生」と呼ばれて10年。結婚して「佐藤先生」になると患者さんが混乱してしまう。
- 営業の山田太郎さん。取引先に「山田さん」で覚えられているので、名字が変わると仕事に支障が出る。
2. 法的手続きが簡単
婚姻届などの面倒な書類手続きが不要です。
普通の結婚の場合:婚姻届、住民票の変更、免許証の変更、銀行口座の変更、保険の変更、職場への届出など、たくさんの手続きが必要。
事実婚の場合:住民票の続柄を「妻(未届)」「夫(未届)」に変更するだけ。
3. 心理的なプレッシャーが軽い
「結婚した」という重いプレッシャーを感じにくいです。
- 「結婚したからには絶対に離婚できない」というプレッシャーがない
- 「夫婦はこうあるべき」という社会の期待を感じにくい
- 個人として生きている感覚を保ちやすい
4. 税金が安くなることがある
共働きの場合、法律婚よりも税金が安くなる場合があります。
例:夫の年収500万円、妻の年収400万円の場合
法律婚:配偶者控除なし、合算で税金計算
事実婚:それぞれ独身として税金計算→結果的に安くなることがある
5. 一定の法的保護がある
完全に無保護ではなく、「内縁関係」として一定の権利が認められます。
- 不当に関係を壊された場合の慰謝料請求
- 厚生年金の遺族給付(条件あり)
- 社会保険の扶養(条件あり)
- 労災保険の遺族給付
事実婚のデメリット
1. 相続権がない
法律上の配偶者ではないので、相続権がありません。
例:夫が急死した場合
法律婚:妻が自動的に相続人になる
事実婚:遺言がなければ妻は何も相続できない。夫の親や兄弟が相続人になる。
対策:遺言書を作成する必要がある
2. 子どもの問題が複雑
生まれた子どもの法的地位が不安定になります。
- 子どもは「非嫡出子」になる
- 父親の認知が必要
- 親権は母親のみ(父親が親権を持つには特別な手続きが必要)
- 相続でも不利になる場合がある
3. 医療現場での制約
病院で「家族」として認められない場合があります。
実際の例:
- 手術の同意書にサインできない
- 集中治療室での面会を断られる
- 病状説明を受けられない
- 「ご家族の方はいらっしゃいますか?」→「恋人です」と言わざるを得ない
4. 社会的理解が不足
特に年配の方や保守的な職場では理解されにくいです。
- 親族から「いつ結婚するの?」と言われ続ける
- 職場の同僚に説明が面倒
- 地域の自治会などで夫婦として扱われない
- 「結婚していないのね」と見下される場合も
5. 証明が難しい
夫婦であることを証明するのが困難です。
住民票に「妻(未届)」と記載されていても、すべての場面で通用するわけではありません。
同棲のメリット
1. 気軽に始められる
重い決意や覚悟がなくても始められます。
- 「とりあえず一緒に住んでみよう」でOK
- 深く考えすぎずにスタートできる
- 若いカップルでも始めやすい
2. 別れやすい
関係がうまくいかなくなっても、簡単に別れることができます。
- 離婚手続きが不要
- 財産分与などの複雑な問題が少ない
- 「お疲れ様でした」で終わることができる
3. お互いを深く知ることができる
結婚前のお試し期間として有効です。
分かること:
- 生活習慣(朝型?夜型?)
- 金銭感覚(節約派?浪費家?)
- 性格(イライラしやすい?おおらか?)
- 価値観(家事の分担、将来の夢など)
4. 経済的な自由度が高い
お金の使い方を相手に制限されません。
- 家計は基本的に別々
- 自分の収入は自分で管理
- 相手の借金などに責任を負わない
5. 個人の時間を確保しやすい
完全に「夫婦」ではないので、個人の自由時間を持ちやすいです。
- 友達と出かけるのも自由
- 趣味に使う時間も確保しやすい
- 「夫婦の時間」を強制されない
同棲のデメリット
1. 将来への不安
「この関係はどこに向かっているの?」という不安がつきまといます。
よくあるパターン:
女性:「いつ結婚するの?」
男性:「今のままで十分でしょ」
→価値観の違いでケンカが増える
2. 法的保護がほとんどない
基本的に「恋人関係」なので、法的な保護はありません。
- 浮気されても慰謝料請求は困難
- 別れても財産分与はない
- 社会保険の扶養にも入れない
- 病院での面会もできない場合がある
3. 社会的信用が低い
「正式な関係ではない」と見なされがちです。
- 住宅ローンの審査で不利になる場合がある
- 職場での扱いが「独身」のまま
- 親族から「いい加減な関係」と思われる
- 友人の結婚式などで立場が曖昧
4. 長期化のリスク
「とりあえず同棲」が何年も続いてしまうことがあります。
実例:「3年間同棲しているけれど、彼が結婚してくれない。でも今更別れるのも...」という女性の相談が増えています。
5. 責任感の薄さ
お互いに対する責任が軽いため、問題が起きやすいことがあります。
- 家事の分担が曖昧
- お金の負担が不公平
- 将来の話し合いを避けがち
- 困ったときに支え合う意識が薄い
実際の体験談
体験談1:事実婚を選んだ35歳女性
「仕事で築いた信用を失いたくなくて事実婚を選択。パートナーも理解してくれて満足しています。ただし、妊娠したときの手続きは大変でした。病院で『未婚の母』として扱われ、説明が面倒でした。」
体験談2:同棲から結婚した28歳男性
「2年間同棲して、彼女の良いところも悪いところも分かった上で結婚を決意。同棲期間があったから、結婚後の生活もスムーズでした。ただし、同棲中は『いつ結婚するの?』というプレッシャーが辛かったです。」
体験談3:同棲が長期化した32歳女性
「5年間同棲していますが、彼が結婚を決断してくれません。友達は皆結婚して、私だけ取り残された気分。でも今更別れるのも...という状態で悩んでいます。」
どちらを選ぶべき?判断基準
事実婚を選ぶべき人
- 結婚の意思は確実にある
- 名字を変えたくない明確な理由がある
- ある程度の年齢(30代以上)
- 法的手続きが面倒
- 長期的な関係を望んでいる
同棲を選ぶべき人
- まだ結婚を迷っている
- 相手のことをもっと知りたい
- 若いカップル(20代)
- 将来が不確定
- 気軽に関係を始めたい
どちらも避けるべき人
- 法的な安定と保護を最重視する
- 社会的な信用を重要視する
- 複雑な関係管理が苦手
- 将来への不安を感じやすい
結婚相談所からのアドバイス
事実婚と同棲は、どちらも「普通の結婚の代替品」ではありません。それぞれに特徴があり、向き不向きがあります。
一番大切なのは、パートナーと同じ認識を持つことです。一方が「同棲のつもり」でもう一方が「事実婚のつもり」では、必ずトラブルになります。
また、人生の段階に応じて見直すことも重要です。20代では同棲で満足していても、30代になって子どもを考えるようになったら事実婚や法律婚を検討するかもしれません。
結婚相談所では、様々な関係の形を希望する方のサポートをしています。「まずは同棲から始めたい」「事実婚希望」など、遠慮なくお聞かせください。同じ価値観の相手を見つけるお手伝いをします。

