結婚しない選択、本当にそう思っていますか
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時代が変わった、という話
私が若い頃、友人との会話でよく出てきたのは「何歳までに結婚したいよね」という話でした。
結婚は「するかしないか」ではなく「いつするか」を考えるものでした。それが当たり前の空気だったように思います。
でも今は、そういった空気はずいぶん薄れました。
結婚しない人生、子どもを持たない人生、一人で生きていく人生——そういった選択肢が、ごく自然なものとして受け入れられるようになりました。
「結婚していない=できなかった人」ではなく「結婚しないことを選んだ人」という見方が広がったのは、個人の価値観が尊重される良い変化だと思います。
仕事、趣味、自己実現。人生を豊かにする選択肢が増えた時代に、結婚だけが人生の中心である必要はない。それは本当にそうだと思います。
それでも、この仕事をしていて感じること
結婚相談所という仕事をしていると、「結婚したいと思っている人」だけでなく、「迷っている人」「以前は考えていなかった人」にも出会います。
そういった方を見ていると、「結婚したくない」という気持ちには、いくつかの種類があるように感じます。
① 本当に、結婚という形を必要としていない
一人の時間が好きで、今の生活に満足していて、将来もそれで十分だと感じている。
これは、心から「結婚という形を選ばない」という意思です。それは立派な選択です。
② 今は、まだ考えていない
仕事が忙しい。良い出会いがなかった。婚活に疲れた。そもそも考える余裕がない。
こういった場合は、「結婚したくない」というより「今はまだ考えられていない」状態に近いかもしれません。
③ 結婚に、傷ついた経験がある
親の離婚を見てきた。交際がうまくいかなかった。結婚に良いイメージが持てない。
こういった場合、「結婚したくない」という言葉の裏に、別の何かが隠れていることもあります。
この3つは、同じ「結婚したくない」という言葉でも、まったく意味が違います。
私がこのコラムで考えてほしいのは、特に②と③に当てはまる方のことです。
「今は考えていない」が、数年後に変わることがある
人の気持ちや価値観は、年齢や経験によって変わります。それはとても自然なことです。
ただ、婚活の世界では、その変化のタイミングが大きな意味を持つことがあります。
例えば、35歳のときに「結婚はまだいい」と思っていた人が、40歳になって「やっぱり家族が欲しい」「一人は寂しい」と感じることがあります。
40歳でも結婚される方はたくさんいます。ただ、婚活の状況は35歳のときとは変わっています。出会いの数も、選択肢も、マッチングの難しさも。
「もう少し後で考えよう」と思っていたことが、数年後には「思っていたより難しくなっていた」というケースは、決して珍しくありません。
「まだ早い」と思っている時期が、実は一番動きやすい時期かもしれない。
これは、前回のコラムでご紹介した33歳の女性を見ていても感じることです。「早いかもしれないけれど」と迷いながら入会された彼女が、半年でご成婚退会されました。
人生は、思っているより早く進みます。20代は仕事に追われ、30代も気づけば過ぎていた——そんな話を、この仕事をしながら何度も聞いてきました。
結婚も独身も、どちらも正解
ここまで読んでいただいて、「結婚しなさいと言っているの?」と感じた方もいるかもしれません。
そうではありません。
私は、結婚しない人生を否定したいわけでも、全員に婚活を勧めたいわけでもありません。
結婚しても、しなくても、それぞれに幸せな形があります。この仕事をしているからこそ、それは両方の現実を見てきた実感としてあります。
ただ、一つだけお伝えしたいことがあります。
一度だけ、立ち止まって考えてほしいこと
「結婚しない」という言葉を口にしているとき、それは本当に自分の心の声ですか?
それとも、「今は考えたくない」「傷つきたくない」「面倒くさい」という気持ちが、そう言わせていますか?
この問いに答えるのは、自分自身だけです。
もし、将来少しでも「家族が欲しい」「誰かと人生を歩みたい」と思う可能性があるなら、そのことをほんの少しだけ、早めに考えておくことも悪くないと思います。
「今は結婚を考えていない」という人に、婚活を押しつけたいわけではありません。ただ、「自分がどんな人生を望んでいるか」を考える時間は、いつでも持てます。
結婚するかどうかより、自分がどんな人生を望んでいるかを、一度だけ考えてみてほしい。
それが、このコラムでお伝えしたかったことです。

