株式会社カレア

お見合いのお茶代は男性が払うべき?SNSで見えてくる、結婚に近づく人の共通点

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お見合いのお茶代論争

お見合いのお茶代論争

はじめに

SNSで盛り上がる「お茶代論争」

「お見合いのお茶代を、なぜ男性が全額払わなければならないの?」

「男女平等の時代なのに、この部分だけ男性負担が当たり前になっているのはおかしい」

「女性はお見合いのために美容やファッションにお金をかけている」

「でも、月に何人もお見合いする男性にとっては、決して小さくない出費」

仲人・活動会員それぞれの立場から出る声

最近、SNSやX(旧Twitter)を中心に、こうした「お見合いのお茶代・男性全額負担ルール」について、仲人・カウンセラーの立場からも、活動会員様の立場からも、さまざまな意見が飛び交っています。中には、現役の仲人が「そろそろ割り勘に見直すべきでは」と発信して話題になったり、逆に「マナーとして当然守るべきルール」という意見が寄せられたりと、業界の内側でも意見が分かれているのが実情です。

 

福岡の結婚相談所テニシアでも、この話題についてご質問やご相談をいただくことが増えてきました。「うちの相談所ではどうなっているのですか」「他の会員さんは、実際どう感じているのですか」という声を、オリエンテーションや個別相談の場でよくいただきます。

このコラムでお伝えしたいこと

結論から申し上げると、私はこの議論に「どちらが正しい」という答えを出すつもりはありません。男性側の言い分にも、女性側の言い分にも、それぞれ十分に理解できる背景があるからです。どちらか一方を「わがまま」「非常識」と切り捨ててしまうのは、あまりに単純化しすぎていると感じています。

 

むしろ、カウンセラーとしてこの議論を見ていて感じるのは、「お茶代を誰が払うか」という表面的な話の奥に、結婚生活を長く続けていくために本当に大切な価値観が隠れているということです。お金の使い方や受け取り方には、その人がどんな風に人と関わっていきたいかという姿勢が、意外なほどはっきりと表れます。

 

今回は、テニシアの活動会員様の実例も交えながら、男性側・女性側それぞれの意見を整理し、業界としての最近の動きにも触れつつ、「結婚に近づく人はどんな考え方をしているのか」を一緒に考えていきたいと思います。これから婚活を始めようとしている方にも、すでに活動中の方にも、何かしらのヒントになれば嬉しく思います。

目次

    結婚相談所における「お茶代男性負担」ルールとは

    なぜこのルールが存在するのか

    多くの結婚相談所連盟(IBJやTMSなど)では、お見合い時の飲み物代(お茶代)を男性が全額負担するという規約が設けられています。これは長年、婚活業界における一般的なマナーとして根付いてきたものであり、多くの会員様にとっては「そういうものだ」という共通認識になっています。

     

    一方で、すべての結婚相談所が同じルールというわけではありません。プラットフォームによっては、お見合い時から割り勘を前提としているところもありますし、そもそも「お茶代についての規約は設けず、当人同士に任せる」というスタンスの相談所もあります。ルールは所属する連盟やサービスによって異なるため、一律に「これが正解」と言えるものではないのです。

     

    ただし、多くの連盟がこのルールを維持している背景には、「男性負担があることで、女性がお見合いの申し込みを承諾しやすくなり、結果として出会いの機会そのものが増えるという現実的な事情もあります。婚活市場全体を見たとき、お見合いの成立件数が減ってしまえば、それだけ会員様一人ひとりの出会いのチャンスも減ってしまいます。ルールを変えることで、婚活全体の成婚数に影響が出る可能性を、各連盟は慎重に見極めているのです。

    テニシアでのご案内

    テニシアでは、ご入会後のオリエンテーションの際に、男性会員様にも女性会員様にも「お見合い時の飲み物代は男性が全額負担となります」とお伝えしています。これは入会前の段階でも重要事項としてきちんとご説明し、活動を始める前にお互いが同じ前提を共有できるようにしています。

     

    男性会員様の多くは、「分かりました」と、特に大きな抵抗を示すことなく受け入れてくださいます。ただ、それは男性が何も感じていないという意味ではありません。積極的に活動される男性ほど、この負担を意識される場面もあるでしょうし、月の途中で「今月はもう何件も払っているな」と実感される方もいらっしゃると思います。

     

    一方で、最近のテニシアの女性会員様からは、「男性にばかり負担してもらって大変ですね。自分が飲んだ分くらいは出したいのですが」というお声をいただく機会が増えています。

    これは、ルールを知らないから出てくる言葉ではありません。むしろ、男性側の負担を想像したうえでの、女性なりの誠実な気持ちの表れだと感じています。こうした声を聞くたびに、時代とともに婚活における価値観そのものが少しずつ変化してきているのだと実感します。

    男性側の言い分|「負担が大きい」の背景にあるもの

    積み重なる出費という現実

    お茶代そのものは、一回あたり数千円程度かもしれません。しかし、積極的にお見合いを重ねる男性にとっては、それが月に何度も重なります。ホテルラウンジや落ち着いたカフェでの飲み物一杯は、決して安価とは言えず、複数のお見合いをこなせば、それだけでまとまった金額になっていきます。

     

    さらに、婚活にかかる出費はお茶代だけではありません。交通費、洋服代、プロフィール写真の撮影費、相談所の月会費、交際が始まればデート代もかかります。真剣に活動しようとすればするほど、出費が積み重なっていく現実があります。「結婚するために頑張っているのに、活動そのものが家計を圧迫している」と感じてしまう男性がいても、決して不思議ではありません。

     

    そのうえ、お見合いは必ず交際に進むとは限りません。「今日はお会いできてよかったけれど、お相手としては違った」ということも当然あります。交際に進まなかった相手にも、毎回必ず支払う仕組みに、経済的な負担や疑問を感じる男性がいても不思議ではありません。中には、「交際に進めなかった回数分だけ、投資が回収できていない気がする」という感覚を吐露される方もいらっしゃいます。

    感謝されないことへの虚しさ

    私が男性会員様のお話を伺っていて感じるのは、男性が本当に負担に感じているのは、金額そのものよりも「態度」であることが多いということです。

     

    ご馳走しても「ありがとうございます」の一言がない。

    高額なメニューを当然のように注文される。

    スマートフォンを見ながら会計を待っている。

    お見合いが終わった後にはお断りの返事。

     

    こうした経験が続けば、「自分は一体何のために払っているのだろう」と感じてしまう男性がいても当然です。

    男性が求めているのは、「必ずお金を返してほしい」ということだけではありません。「自分の負担を当然と思わないでほしい」「せめて感謝してほしい」という気持ちが、その根底にあることが多いのです。この感覚は、金額の多寡というより、人としての礼儀や配慮に関わる部分だと感じます。

    男女平等の時代への疑問

    共働きを希望する女性も増え、結婚後は家計を一緒に支えていこうと考えるカップルも珍しくない時代です。そのような中で、「初対面の段階から男性だけが一律で負担する」という仕組みに、疑問を持つ男性がいることも理解できます。

    「結婚後は対等なパートナーシップを築きたいと思っているのに、出会いの入り口だけが非対称になっている」という違和感は、決してわがままな意見ではなく、時代の変化に伴う自然な疑問だと私は思います。むしろ、こうした疑問を持てること自体が、将来の家庭運営について真剣に考えている証でもあるのではないでしょうか。

    女性側の言い分|「奢られて当然」ではない理由

    見えない準備コストという事情

    お見合いは、当日カフェに向かうだけではありません。美容院に行く、洋服を選ぶ、メイクやネイルを整える、お見合い写真に合わせた印象づくりをする。女性の多くは、初対面の相手に良い印象を持ってもらうために、事前の準備に時間とお金をかけています。

     

    もちろん、これは男性にも同じように準備があります。ただ、「外見や第一印象への期待を受けやすい」という女性特有の事情があることも、理解しておきたいポイントです。加えて、初対面の男性と会うことへの緊張や不安を抱えながらお見合いに臨む女性も少なくありません。会話が続くだろうか、どんな雰囲気の方だろうか、という緊張感を抱えて会場に向かうことも、女性にとっては一つの負担と言えるでしょう。

    大切にされている実感

    女性にとって、「男性がお茶代を払ってくれる」という行為は、単純な金額以上の意味を持つことがあります。「自分を歓迎してくれている」「この時間を大切にしてくれている」「スマートにリードしてくれた」と感じる女性もいます。

     

    また、会計時の振る舞いから、「この人は結婚後、お金にどのような考え方をする人なのだろう」と、相手の人柄や価値観を想像している女性も少なくありません。婚活という限られた時間の中で、お相手を知ろうとする一つの手がかりになっているのです。一回のお茶代だけで人柄のすべてが分かるわけではありませんが、そこに表れる小さな態度に、女性は敏感に反応しているのだと思います。

    「私も払いたい」という気持ち

    前述のとおり、最近は「自分が飲んだ分くらいは払いたい」と申し出てくださる女性会員様が増えています。これは、男性側の負担を想像したうえでの、思いやりから出てくる言葉です。

    時代とともに、「男性が払って当然」ではなく、「自分が飲んだものなのだから、自分も払いたい」と考える女性が増えていることは、一つの価値観の変化として興味深く感じています。この変化は、女性の側が男性を軽んじているわけでは決してなく、むしろ「対等でありたい」という誠実な思いから来ているものだと感じます。

    「私も払います」が誤解を生むこともある

    男性が受け取ってしまう意味

    一般的な恋愛であれば、お茶代の支払い方は二人の自由です。しかし、結婚相談所のお見合いには一定のルールがあります。そのため、女性が会計時に「私も払います」と強く申し出た場合、男性によっては別の意味に受け取ってしまうことがあります

     

    「奢られるのが嫌だったのかな」

    「お断りするつもりだから、借りを作りたくないのかな」

    「脈がないという意思表示なのかな」

    と感じてしまう男性もいらっしゃるのです。

     

    女性本人にはそのようなつもりはなく、ただ純粋に「男性ばかりに負担してもらうのは申し訳ない」と思っているだけかもしれません。ここに、お見合いならではの難しさがあります。自分にとっては思いやりのつもりだった行動が、お相手には別の意味で伝わってしまうことがあるのです。良かれと思ってした行動が、意図せず相手を戸惑わせてしまう。婚活の場ならではの繊細さだと感じます。

    テニシアでのお伝えの仕方

    だからこそテニシアでは、女性会員様が「自分も払いたいです」とおっしゃった場合、「お気持ちはとても素敵です。ただ、お見合いではルールとして男性にお支払いいただくことになっていますので、ここでは男性にお任せくださいね」とお伝えしています。

    これは「男性に払わせる」という意味ではありません。事前に決められているルールを、お互いが気持ちよく守ることも、婚活における大切なマナーの一つだからです。ルールに従いながら、支払ってくださったことへの感謝をきちんと伝える。それだけで、お互いに気持ちよくお見合いを終えることができます。

    こうしたやり取り一つを取っても、カウンセラーが間に入ることで、お互いの気持ちのすれ違いを防げる場面は少なくありません。ルールの背景にある意味を丁寧にお伝えすることも、私たちカウンセラーの大切な役割だと感じています。

    ルールを守ることと、感謝することは別の話

    「当然」が感謝を奪ってしまう

    「ルールなんだから男性が払って当然」

    「申し受け側なんだから、自分の希望に合わせてもらって当然」

    「男性なんだから払うのが当たり前」

    ――このように、何でも「当然」と考えるようになると婚活はなかなかうまくいかなくなります

     

    結婚は、「してもらえることを探すためのもの」ではないからです。結婚生活では、仕事を頑張ってくれる、家事をしてくれる、子どもの世話をしてくれる、疲れているときに話を聞いてくれる、といった多くのことをお互いにしてもらいます。それを「夫なんだから当然」「妻なんだから当然」と思ってしまえば、どんなに相手が頑張っても感謝は生まれません。そして、感謝されない側は、少しずつ疲れてしまいます

    小さな「ありがとう」の積み重ね

    婚活中から、「してもらって当然」ではなく「してくれてありがとう」と思えることは、結婚生活にもつながる大切な力だと、私はカウンセラーとして日々感じています。

     

    男性が払ってくれた。「ありがとうございます」。

    女性が時間を作って会いに来てくれた。「会ってくださってありがとうございます」。

    遠方から来てくれた。「遠いところからありがとうございます」。

    会話を一生懸命盛り上げようとしてくれた。「楽しい時間をありがとうございました」。

     

    こうした小さな感謝の積み重ねこそが、お互いに気持ちよく過ごせる関係をつくっていくのだと思います。派手な演出やギフトがなくても、言葉にして伝えるだけで、相手との関係は確実に温かいものになっていきます。

    テニシア会員様に見る「ルールの外にある思いやり」

    プチギフトという実例

    テニシアでは、お見合い時に女性がお茶代を負担する必要はありませんし、女性から男性にプチギフトを渡すというルールもありません。「ご馳走してもらったから、必ず何かをお返ししなければならない」という決まりも一切ありません。

     

    しかし、テニシアの会員様の中には、自分なりに相手の負担を考えて行動される方がいらっしゃいます。例えば、お相手が遠方から会場近くまで来てくださった場合。交通費もかけて、時間もかけて来てくださったうえに、飲み物代まで負担してくださる。そのことに「ありがたいな」と感じられる会員様もいらっしゃいます。

     

    そのような方の中には、1,000円程度のお菓子や、ちょっとしたギフトカードなどを「ほんの気持ちです」とお渡しされる方もいらっしゃるようです。金額としては決して大きなものではありませんが、そこに込められた「相手を思う気持ち」が、お見合いの場を温かいものにしているのだと感じます。

    思いやりは形ではなく気持ち

    ここで大切なのは、「女性は全員そうするべき」ということでは決してない、という点です。プチギフトを渡したからといって、その人が必ず素晴らしい人というわけではありませんし、渡さない人が思いやりのない人ということでもありません。それを新しい婚活マナーとして女性に求めたいわけでもありません。むしろ、それが義務化してしまえば、それは思いやりではなく新しいルールになり、女性側に新たな負担を生んでしまいます。

     

    ただ、カウンセラーとして活動会員様を見ていると、「自分がどう思われるか」ではなく「相手はどう感じるだろう」「相手も負担してくれているかもしれない」と考えられる方は、とても魅力的だと感じます。それは、プチギフトを渡したから魅力的なのではなく、その行動の奥にある「相手の立場に立って考えられる姿勢」に理由があるのです。

     

    もちろん、プチギフトを渡さなくても、会計後にしっかりと目を見て「ありがとうございます」と伝えること、交際に至った時には改めてメッセージで感謝を伝えることでも、十分にその思いやりは伝わります大切なのは何を渡したかではなく、相手が自分のためにしてくれたことに気づき、それに対して感謝できるかどうかです。

     

    実際、こうした姿勢をお持ちの会員様は、ご成婚までのスピードが早い傾向があるように感じています。婚活はプロフィールの条件だけで決まるものではなく、「一緒にいて安心できる」「自分のことを一方的に求めるだけでなく、こちらのことも考えてくれる」という小さな積み重ねが、結婚への安心感につながっていくのだと思います。

    SNSで議論される「割り勘」への流れと、業界の対応

    物価高騰による負担増

    近年、ホテルラウンジをはじめとするカフェの価格が全体的に上昇しており、お見合い1回あたりの支出が以前より大きくなっていることも、この議論が盛り上がる一因になっています。月に複数回お見合いをする男性にとって、この負担増は決して小さな問題ではなく、活動を続けるモチベーションにも関わってくる現実的な問題です。

    連盟がルールを維持する理由

    一方で、多くの連盟が男性負担のルールをすぐに変更していないのには理由があります。それは、「男性全額負担というルールがあることで、女性がお見合いの申し込みを承諾しやすくなり、結果として出会いの総数が保たれている」という実務的な側面があるからです。ルールを変更することが、必ずしも会員様全体の利益につながるとは限らないという判断があるのです。

     

    割り勘を前提にしてしまうと、女性側が「気軽に会ってみる」というハードルが上がり、お見合いの成立件数そのものが減ってしまう可能性が指摘されています。結果として、男女どちらにとっても出会いの機会が減ってしまうというジレンマがあるのです。

    現場のカウンセラーの意識の変化

    ルールそのものを大きく変えることが難しい中で、現場のカウンセラーや仲人の間では、実務レベルでの工夫や意識の変化が見られます。

    女性会員様には「ご馳走してもらった後は、その場でしっかりお礼を伝える」「男性の負担を考慮して、高額すぎるメニューを選ばない」といったマナーをお伝えする相談所が増えています。テニシアでも、ルールをお伝えするだけでなく、お互いへの感謝の姿勢を大切にお伝えするようにしています。

     

    また、お見合いの場所についても、従来は格式のあるホテルラウンジが定番でしたが、男性の負担軽減や予約のしやすさを考慮して、落ち着いた雰囲気のカフェを候補に加える動きも一部で見られます。ルールそのものを変えるのではなく、その周辺の運用を工夫することで、双方が納得できる形を模索している段階だと言えるでしょう。

    こうした流れは、「男性負担ルールをなくす」という方向ではなく、「ルールを維持しながら、お互いが気持ちよく活動できる工夫を重ねる」という方向に進んでいるように感じます。

    「割り勘が嫌」の奥にある、本当の理由

    金額ではなく「お金への態度」が問題になることも

    女性側から、「割り勘をする男性は苦手です」という意見を聞くことがあります。これも、単純に「男性にお金を払ってほしい」という意味だけとは限りません。

    女性が本当に気になっているのは、「自分の分を払って」という言葉そのものではなく、その時の態度であることが多いのです。

     

    数十円単位まで細かく計算する。

    お会計のたびに金額について不満を口にする。

    「女性と会うと出費がかさむ」というようなことを、お相手の前で言ってしまう。

    こうした態度を見た時、女性は「結婚後も、お金のことで細かく指摘されるのではないか」「必要な出費まで出し惜しみされるのではないか」と、将来への不安を感じてしまうことがあります。

     

    つまり、「割り勘=良くない」ということでは決してありません。むしろ、夫婦によっては、家計を完全に折半することが心地よい場合もあります。共働きで、お互いに自立していて、家計も公平に負担したいというご夫婦も少なくありません。大切なのは「割り勘かどうか」そのものではなく、お金についてどのように話し合える人なのかという点なのだと思います。

     

    同じ割り勘でも、「今回は私が払うね。次はお願いしてもいい?」という関係性もあれば、「1円でも多く払いたくない」という関係性もあります。同じ「男性が多く払う」という関係でも、「自分が払うことを喜んでいる」という男性もいれば、「払ってやっている」という態度の男性もいます。金額の多い少ないよりも、そのお金を通してどのような関係を築こうとしているのか、そこにこそ、その人の価値観が表れるのだと思います。

    「申し込んだ側だから」という考え方にも注意したい

    婚活をしていると、「申し込んだ側なのだから、こちらの希望に合わせて当然」「申し受けた側なのだから、何もしなくていい」という考え方が顔を出すことがあります。

    しかし、お見合いが成立した時点で、「会ってみたい」という意思はお互いにあるはずです。男性が申し込み、女性が承諾した。その時点で、一方だけが相手を選んでいるわけではありません。お互いが「一度会ってみよう」と思ったからこそ、お見合いが成立しているのです。

     

    それにもかかわらず、「自分は申し受け側だから何もしなくていい」「相手が申し込んだのだから、こちらに合わせるべき」と考えてしまうと、対等な関係を作ることが難しくなります

     

    遠方から自分の近くまで来てくれた

    仕事を調整して時間を作ってくれた

    交通費をかけてくれた

    飲み物代まで負担してくれた

    ――そうした事実があれば、「申し込んできたのは相手だから当然」ではなく、「そこまでして会いに来てくれたのだな」と思える人でありたいものです。

    もちろん、これは男性側も同じです。女性とのお見合いが成立し、時間を作って準備をして来てくれたことを、「会ってくれて当然」と思わない姿勢が、お互いに必要だと思います。

    お金の話の奥にある、本当の気持ち

    男女それぞれに投げかけてみたい質問

    この議論を考えるとき、私は男女それぞれに、少し違う質問を投げかけてみたいと思います。

    男性には、「女性に払ってもらえないことが不満なのですか。それとも、自分の負担を当然と思われることが悲しいのですか」。

    女性には、「割り勘そのものが嫌なのですか。それとも、大切にされていないように感じることが嫌なのですか」。

    この二つは、似ているようで少し違います。男性が本当に求めているのが「お金」ではなく「感謝」なのだとしたら、女性が心から「ありがとうございます」と伝えることで、気持ちが変わるかもしれません。女性が本当に求めているのが「支払い」ではなく「大切にされている実感」なのだとしたら、お金以外の部分にも目を向けることができるかもしれません。

    「お金の不満」に置き換えられた、本当の気持ち

    私たちは時々、自分の本当の気持ちを「お金の話」に置き換えてしまうことがあります。「払ってくれないから嫌」ではなく「大切にされていないように感じたから悲しかった」のかもしれない。「払いたくない」ではなく「自分の負担を当然と思われるのが辛い」のかもしれません。自分が本当は何を大切にしたいのか、そこまで考えられると、お金の価値観についても、もっと建設的に話し合えるようになるのではないでしょうか。

     

    この視点は、お茶代の話に限らず、結婚生活における家計の分担や、家事育児の分担を話し合う際にも役立つ考え方だと思います。表面的な「不満」の奥にある本当の気持ちに目を向けられるかどうかが、パートナーとの対話の質を大きく左右するのです。

    結婚に近づく人に共通すること

    相手の事情を想像できる力

    結婚相談所では、年齢・年収・学歴・職業といった条件を見る機会がどうしても多くなります。もちろんそれらも大切な情報です。しかし実際にお見合いをして、交際をして、結婚する相手を選ぶ段階で大きく影響するのは、「この人と生活を一緒に作っていけるか」という部分です。

     

    そのために必要なのが、相手の事情を想像する力だと、私は日々の活動会員様との関わりの中で感じています。男性なら「女性も準備や緊張を重ねて来てくれているかもしれない」、女性なら「男性も交通費や時間をかけて、負担を重ねて来てくれているかもしれない」。お互いが「自分も大変」と主張するだけでなく、「相手も大変かもしれない」と想像できる。この小さな想像力が、結婚生活ではとても大きな力になります。

    損得ではなく、思いやりで向き合う

    結婚は、「どちらが多く払ったか」を毎日数え続ける生活ではありません。仕事が忙しい時期は片方が家事を多くこなし、体調が悪いときはもう片方が支える。収入に差があれば家計の負担割合が変わることもありますし、子育てが大変な時期には、できる方ができることをする。人生には、完全な折半では説明できないことがたくさんあります。

     

    だからこそ、「今、自分がどれだけ負担しているか」だけでなく、「今、相手は何をしてくれているだろう」と考えられることが大切です。お見合いのお茶代は小さな出来事かもしれませんが、その小さな出来事への向き合い方の中に、その人の結婚観が表れることもあるのです。

    婚活で結果を出される方の多くは、条件の良し悪しよりも、こうした「相手を思う姿勢」を無意識のうちに大切にされているように感じます。それは特別なテクニックではなく、日々の小さな心配りの積み重ねなのだと思います。

    「奢る男性」と「感謝できる女性」が魅力的に見える理由

    与える側と受け取る側は固定ではない

    私は以前から、「相手のために何かをしてあげられる男性と、それに気づいて感謝できる女性は、婚活でも良いご縁に恵まれやすい」と感じています。ただし、これは「男性は何でも女性に奢るべき」「女性は男性に尽くすべき」という意味では決してありません。

     

    相手のために何かをしてあげることができる人。

    そして、相手が自分のためにしてくれたことに気づき、感謝できる人。

     

    この組み合わせが、人間関係においてはとても強い力を持つのだと思います。男性が「今日は自分が払うよ」と言える。女性が「ありがとうございます。嬉しいです」と言える。女性が「次は私が何かお返ししたいな」と思える。男性が「気を遣わなくていいよ。でもありがとう」と言える。

    損得を超えた関係が結婚生活の土台になる

    このような関係には、「どちらが損をしたか」という発想がありません。あるのは、「相手に喜んでもらいたい」という気持ちと、「相手が自分にしてくれたことを嬉しいと思う」という気持ちです。結婚生活でも、これはとても大切な土台になります。夫が妻のために何かをする、妻が夫に感謝する、妻が夫のために何かをする、夫が妻に感謝する——どちらか一方だけが与え続ける関係ではなく、その時々で与える側と受け取る側が入れ替わっていく。そして受け取った時に「ありがとう」と言える。それが、長く続く夫婦関係の一つの形なのではないでしょうか。

    まとめ|テニシアが大切にしたいのは「正解」ではなく「思いやり」

    ルールが変わっても変わらないこと

    男性がお茶代を払うべきなのか、女性も自分の分を払うべきなのか

    ――この問いに、すべての人が納得する一つの正解はないと思います。時代とともにルールや価値観が変わっていく可能性も十分にあるでしょう。男性負担が続くかもしれませんし、いずれ割り勘を選べる時代になるかもしれません。それは、その時代や婚活の仕組みによって変わっていくものだと思います。

     

    しかし、どのようなルールになったとしても、変わらず大切にしたいことがあります。それは、自分が得をしたいだけでなく、相手のことも考えられること。そして、相手が自分のためにしてくれたことに感謝できることです。

    テニシアでは現在のルールに従い、お見合い時の飲み物代は男性にご負担いただいています。女性会員様には無理にお支払いいただくのではなく、男性にお任せいただくようお伝えしていますが、そのうえで「ありがとうございます」という感謝の気持ちを忘れないことを大切にしています。

    「思いやり」が導く、良いご縁

    男性が払う。女性が払う。割り勘にする。将来どのようなルールになるかは分かりません。しかし、どんなルールであっても、相手の立場に立って考えることができる人、相手からしてもらったことに感謝できる人、「してもらって当然」ではなく「してくれてありがとう」と思える人は、きっと婚活でも、そして結婚生活でも、良い関係を築いていけるのではないでしょうか。

     

    お見合いのお茶代は、たった一杯の飲み物代かもしれません。しかし、その一杯を通して「自分はどのように人と向き合っているだろう」「相手の負担や気持ちを想像できているだろうか」と考えてみることには、大きな意味があると思います。

     

    婚活で大切なのは、常に自分が得をすることではありません。もちろん、自分ばかりが我慢する必要もありません。大切なのは、自分の気持ちも大切にしながら、相手の気持ちにも目を向けること。その姿勢を持つことができた時、「お茶代を誰が払うのか」という議論の先にある、「この人となら、お互いを思いやりながら結婚生活を作っていけそう」という出会いに近づいていくのかもしれません。

     

    テニシアは、IBJ・TMSという結婚相談所の2大連盟に加盟しながらも、「数字」よりも「サポートの質」を大切にしてきました。今回のようなお茶代の議論一つをとっても、単純な正解を提示するのではなく、会員様お一人おひとりの気持ちに寄り添いながら、一緒に考えていくことを、これからも大切にしていきたいと思います。

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